(ブルームバーグ): 世界の多くの地域が依然として新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)との闘いを続けているものの、米コムキャスト傘下NBCユニバーサルによる東京五輪の放送事業はこれまでで最も収益性が高くなる可能性がある。

NBCユニバーサルの娯楽部門を率いるジェフ・シェル氏は14日、投資家会議でこうした見通しを示し、広告主からのコマーシャル枠に対する高い需要や、米国選手団の強さと人気に言及した。

シェル氏はクレディ・スイス主催の同会議で7月下旬に開幕予定の東京大会について、「視聴率次第では、当社の歴史の中で最も収益性の高い五輪になる可能性がある」と語った。

日本では新型コロナのパンデミックへの懸念が高まっているが、NBCの幹部らは東京五輪が予定通り開幕するかのように準備を進めている。同社はケーブルチャンネルやストリーミングサービスも含めて計7000時間余りの番組を計画。昨年の大会延期決定で積み上がった需要で視聴率が高まると幹部らは期待している。

NBCは大会延期決定前の昨年3月に、東京五輪向け広告枠販売が過去最大の12億5000万ドル(約1400億円)余りに上ったと発表した。同社はその後、日程変更された大会の広告販売データについて情報を更新していない。

コムキャストは2014年から20年までの五輪の米放映権料として44億ドルを支払った。その後32年までの大会放映権料としてさらに77億5000万ドルを支払うことに合意している。

近年の五輪のテレビ視聴率は低下傾向にあるものの、NBCは依然として同イベントで利益を上げており、16年開催のリオ大会では2億5000万ドルの利益を生み出した。

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