独フォルクスワーゲン(VW)日本法人は14日、ディーゼルエンジンを搭載した主力車「パサート」を売り出した。VWがディーゼル車を日本に投入するのは20年ぶり。排ガス不正の影響は和らいだとみて、燃費の良さを売りに巻き返しを図る。

 売り出したパサートは、1973年に登場して以来「ゴルフ」などと並ぶVWの主力車種。新開発のディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりも燃費が約3割向上。軽油1リットルあたり20・6キロになった。排出される二酸化炭素も約2割減らした。価格は消費税込みで422万9千円から。

 「再びVWのディーゼルが日本に戻ってきた。非常に厳しい日本の排ガス規制をクリアしたモデルだ」。東京都内であった発表会で、日本法人のティル・シェア社長は力を込めた。

 日本自動車輸入組合によると、2017年の輸入車販売台数のうち、ディーゼル車は6万6630台。全体に占める割合が初めて2割を超えた。割安な軽油を燃料とするディーゼル車の人気を背景に、VWも投入に踏み切った。

 VWは排ガス不正問題以降、国内ではディーゼル車がないにもかかわらず販売が低迷。輸入車1位の座を15年以降、3年連続で独メルセデス・ベンツに奪われている。(高橋克典)

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