「携帯電話から0570で始まるナビダイヤルにかけたら、長時間待たされ、数千円の高額請求が来た」。そんな不満を訴える投稿が西日本新聞に寄せられた。0120で始まる通話無料の「フリーダイヤル」と違い、「ナビダイヤル」は発信者側が通話料を負担する。今回の事態は、0570が携帯電話の「かけ放題プラン」の対象外であるため起きた。取材を進めると、この携帯電話の「隠れ負担」を巡り、国民生活センターなどへ相談が相次いでいることが分かった。

◆相手が自動音声案内でも課金スタート
 0570のサービスのほとんどはNTTコミュニケーションズ(東京)が提供。1997年に運用が始まり、カスタマーセンターなど外部からの問い合わせ先として企業や官公庁が利用している。総務省によると、利用番号数は2019年度末で約1万7000件、10年前の2倍弱まで増えている。
 電話をかけると「ナビダイヤルでおつなぎします。およそ○秒○円がかかります」などと音声案内が流れる。続いて呼び出し音が鳴り、相手方に接続された段階から課金が始まる。接続先が自動音声案内でも、オペレーター対応でも課金。いったん接続されたら、待ち時間も課金対象だ。
 料金はどうなっているのか。平日昼間の場合、固定電話からの通話料は3分で税込み88円(県をまたぐ100キロ以上の距離)。携帯電話からだと同99円という。携帯が極端に高額なわけではない。

 携帯大手のNTTドコモやau、ソフトバンクは、ナビダイヤルへの通話は「かけ放題」の対象外になっている。楽天モバイルも同様だ。理由について、ドコモは「具体的な回答を控える」。ソフトバンクは「サービスを提供する事業者が通話料などを決めているため、プランから外している」としている。
◆定額料金制の対象外、分かりやすく表示を
 利用者への説明について、両社とも「ホームページに周知している」とは回答する。確かに、注意書きはあるが、利用者には内容が伝わっていない現状がある。
 国民生活センターは11年、ナビダイヤルのトラブルについて注意喚起した。携帯電話会社には「定額料金制の対象外のケースを分かりやすく表示すること」を求め、利用者には契約内容の再確認を促した。だが、その後も相談は年間数十件のペースで寄せられ続けているという。
 総務省は「基本的には民間の話だ」としつつも「利用者の不満は聞いており、課金の周知が必要だ」と改善の必要性を認める。
 通信行政について詳しい神奈川大の関口博正教授(会計学)は「0570の通話料が突出して高いとは言えず、問題は『かけ放題』の対象外と周知されていないことに尽きる」と指摘。「最初の音声案内で明確に伝えるのが効果的だろうし、携帯電話会社も契約時に分かりやすく伝えるべきだ」と求める。(西日本新聞・水山真人)
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東京新聞 2021年4月3日 12時30分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/95605
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